前回、自己分析は机の上だけで行うものではなく、自分自身の振り返りと、企業・仕事の情報収集の両面から行うものだとお伝えしました。
【参考記事】
上の図で、「自己分析」と書いてある黒い箱の中身は、実はこのようになります。
そして、今回説明するのは、この部分です。
過去・現在・未来の3方向から、自分に合った会社を探す
自分に合った会社をどうやって探すのか。
これには下記3つのアプローチが存在します。
アプローチ① 過去の分析=自分に「向いている」仕事や環境を見つけ出す。
過去の自分を振り返ることで、
・どんな仕事が得意か?
・どんな環境でモチベーションが上がるか?
・どんな人や雰囲気が自分に合うか?
といったことを考えます。
アプローチ② 現在の分析=何に「携わりたい」かを探索する。
現在の自分の興味関心や専門性を分析することで、
・好きなことや夢中になれることは何か?
・やってみたいことは何か?
・スキルが活かせることは何か?
を考えます。
アプローチ③ 未来の分析=自分が「こうなりたい」を思い描く。
自分のなりたい将来像をイメージして言語化することで、
・将来の夢は何か?
・どんな生き方をしたいのか?
・何を得たいのか?
・どう世の中の役に立ちたいのか?
といったことを考えます。
3つの円全部を考えてみる
自己分析を始めるタイミングで、この3つの円のどれが一番強いかは、人によって大きく異なります。
例を挙げると、
①が強いが、②や③が弱い人
「営業の仕事が得意、だけど、どの分野に携わりたいかはわからない」
②が強いが、①や③が弱い人
「エンタメに絶対関わりたいが、どんな仕事が向いているのかはわからない」
③が強いが、①や②が弱い人
「将来起業したいが、何をやりたいかはわからない」
このように、自己分析の当初は、強い円(自分が重視している部分)と弱い円(軽視していた部分)がはっきり分かれるはずです。
それがわかったら、一度、弱い円(軽視していた部分)についても、一通り考えてみることが大切です。
(具体的なやりかた、は自己分析「実践編」の記事で説明します)
考えた結果、何も出てこない円があってもOK
3つの円について一通りは考えた結果、結局何も出てこない円があっても、それはそれで構いません。
よく完璧主義の方や心配性の方にこの3つの円のアプローチを説明すると、
「どんなに考えても夢が見つかりません」
「やりたいことが見つかりません」
と言ったような悩みを聞きますが、それはそれでいい、
それはあなたの価値観です。
何も出てこない円=現時点で自分が価値を置いていない部分
だから、何も出てこないのです。
悪いことでは全くありません。
「自己分析を通して自分に合った会社を探す」というのは、
例えていうなら、事件の犯人を追う捜査官のようなものです。
「アリバイ」や「凶器」や「犯行動機」など様々なアプローチから犯人を絞り込むことは大事、
でもだからと言って絶対に全部の情報が完璧に揃わないと犯人を見つけられないかというと、そうでもないでしょう?
周りの人は、いろんなことを言ってくる
上で書いたように、「どの円に重きを置くか」というのは人によって様々です。
従って、企業で出会う人事の方やキャリアアドバイザー、両親や部活の先輩など、いろいろな視点からアドバイスを受け、就活生は大いに混乱します。
●10年後のなりたい人物像が無いとダメだよ!
●やっぱり最後は人で選ぶべきだよ!
●好きなことをやろう!
●得意なことを仕事にしないと活躍できないよ!
●報酬でしょ!
●スキルでしょ!
…などなど。
もし読者の方が就活を既に経験したことのある方なら、「あぁそんなこと言われたな…」ってなっていると思います。
この記事を読んだ方々は今日から、いろんなことを言われても、頭の中に3つの円を思い浮かべて、
「あ、この人が言っているのは、この円に関することだな。この円に価値を置く人なんだな」
ということを冷静に分析すればいい。
そしてそれが共感できるのであれば、自分の軸の一つに加えればいいし、共感できないのであれば、無理に考えることはない。
「○○で選ばなきゃいけない!」
ということなんてありません。
ひとそれぞれですから。
と、いう訳で、
自己分析を俯瞰的に眺めると、 3つのアプローチ(3つの円)があるということ、よく覚えておいてください。
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