Q4で、「大手企業の総合職は専門性が身につかない、よって市場価値が身につきにくい」という話をしました。
では大手総合職に市場価値をつける手段は残されていないのでしょうか?
A:そんなことはありません。いわゆる「ゼネラリスト」として市場価値を身に着ける道があります。
ここでいうゼネラリストとは、
「ある企画やプロジェクトを、多くの立場の人と協力し、抵抗勢力に打ち勝ち、意思決定権者を説得し、意味のある成果を残す」ことができる人です。
一般に大手企業で携わるプロジェクトは、ベンチャー企業のプロジェクトと比べて
・規模が大きく
・利害関係者が多く、
・当然中には反対する人もいて、
・意思決定をする人は一人とは限らず、距離も遠い
といった特徴があります。
簡単な話、大手企業では社長のような最終意思決定権者は役員フロアの社長室にいてなかなか会うことすらできないが、ベンチャー企業では隣の隣に座っていたりするわけです(もちろん会社にもよりますが)。
このような長い意思決定プロセスやしがらみの中で、結局骨抜きになって当初の想いを見失ったプロジェクトや、リスクを取らず前例通りのことしかできなかったプロジェクトが実に多いのが多くの会社の実態です。
そのような環境の中で、当初の想いを貫き意味のある成果を出すことのできたプロジェクトは世の中に大きなインパクトを起こすことになり、そのプロジェクトリーダーの価値は、ゼネラリストとして転職市場で高く評価されることは間違いありません。
これは相当厳しい道のりでもあります。ただ流されて仕事をしている総合職では絶対にダメです。市場価値はつきません。
失敗するリスクや社内での衝突や風評被害を恐れない強固な意志と、周りを巻き込む力、これらを兼ね備えた人物に、高い市場価値が付けられます。
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