前回は、
多くの企業で、評価項目は大きく分けて4つの分類に分けられる、という話をしました。
4つの分類とは、以下の通りです。
①努力
②チームワーク・コミュニケーション
③思考力・地頭
④カルチャーマッチ
企業によって、何に重みを置くかは違うし、同じ項目でも、どういったタイプを評価してどういったタイプを評価しないかは企業によって異なります。
つまり、
「①努力」と言っても、どんな努力の仕方を高く評価するのかは企業ごとに違うし、「②コミュニケーション」「③思考力」についても同様にいろいろなタイプがあり、企業ごとに評価のポイントは違います。
今回は、①~③について、どんなタイプにさらに分かれるのか、要素分解をしてみます。
(④については、企業によってカルチャーや理念はそれぞれ違うので、敢えてタイプを分けて考える必要がありません)
※注
どんなタイプがあるのかを知ることは大事なことですが、今回はやや知識の話になります。どのように実践して「面接の振り返り」や「面接の準備」に活かすか、ということを今すぐ知りたい方は、こちらの記事に飛んでください。
「①努力」のタイプについて
仕事に対して努力できるか?頑張れるか?といった指標。一口に「努力」と言っても、以下のような要素が考えられます。
①-A.没頭
好きなことや、やろうと思ったことに対しては、ハードワークであってもとことん集中して頑張ることができる。
①-B.マルチタスク
複数のタスクに対して優先順位をつけ、並行して要領よく進めることができる。
①-C.主体性
指示を待つのではなく、自分から何をするべきかを考え、行動することができる。
①-D.正確・真面目
指示を正確に守る。与えられたタスクに対して、どのような仕事であっても好き嫌いせず真面目に取り組む。
①-E.目標達成志向・粘り強さ
目標を達成する為にあきらめずに頑張り抜く。目標達成のために創意工夫を行い、ハードワークも厭わない。
①-F.チャレンジ・行動力
高い目標を設定し、積極的に行動する。失敗するかもしれない課題に対しても、行動を起こすことができる。
このように、努力にもいろんな要素があります。企業によって、例えば、
「C.主体性とE.目標達成志向は重視するが、D.正確・真面目はそれほど重要ではない」
など、求めるポイントが変わってきます。
「②チームワーク・コミュニケーション」のタイプについて
チームで仕事ができるか?クライアント(お客さん)といい関係性を築けるか?といったことを確認するための指標。
②-A.協調性
チームメンバーやクライアントとの和を大切にし、良い関係を築くことができる。
チームの雰囲気を前向きにさせるような(明るい)コミュニケーションを取ることができる。
②-B.リーダーシップ、巻き込み力
チームの目標達成のために主体的に行動を起こし、周りのメンバーを巻き込んで、行動を促すことができる。
②-C.素直さ、正直さ
上司や先輩からの指摘、またはクライアントからのフィードバックを素直に受け入れることができる。また、自分のミスや能力不足を正直に認めることができる。
②-D.受容、寛容
異なる考えや価値観を認めることができる。他人のミスや短所に対しても寛容に受け止めることができる。
②-E.交渉力
自分の意見を恐れることなく発信し、相手との対話を通して自分に有利な条件で妥結することができる。
以上のような要素が考えられます。
「③思考力・地頭」のタイプについて
仕事に対する理解力や、与えられた課題に対して最適解を導きだす能力を確認するための指標。
③-A.論理性
論理を追って、筋道を立てて考えることができる。
③-B.発想力
他の人が考えつかないような新しいアイデアを考えつくことができる。いわゆるアイデアマン。
③-C.応用力
具体化⇔抽象化を繰り返して、ある事象から得た学びや知見を他の領域において活かすことができる。
③-D.思考のスピード(臨機応変)
その場の状況に応じて、限られた情報と限られた時間から臨機応変に最善の判断をすることができる。頭の回転が早い。
③-E.思考体力
考えることが好き。なかなか解にたどり着かなくても、考えることを諦めない。
このような要素があります。
あなたが人事やカウンセラーでない限り、上記の言葉自体を覚えることに意味はありません。
が、同じ「努力」「コミュニケーション」「思考力」と言っても、いろいろな要素があるのだと知っておくことは重要です。
人にはそれぞれ先入観や価値観があるので、例えば「努力=チャレンジすること!」という価値観がある人は、「言われたことを正確にこなす力も努力である」ということになかなか気づけないものです。
努力にもいろいろある、ということを理解しておかないと、企業の求める努力のパターンとは全く違うものをアピールしてNGとなり、「なぜNGだったのか??」と腑に落ちないケースが多々発生します。
もちろんこれは、「コミュニケーション」についても「思考力」についても、同じことが言えます。
さて次はいよいよ実践編。
実際の企業の評価項目を類推して仮説を立て、「受けた面接の振り返り」「次の面接の準備」に活かしていきます。
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